賃貸でヤニ汚れを原状回復する費用はどのくらい?経年劣化は関係ない?

賃貸では原状に戻して退去する必要がありますが、部屋でタバコを長く吸っていた場合はヤニ汚れがひどいためきれいにして退去する必要があります。

また、壁のクロスを張替えなければならない場合には費用がかさみます。

また、臭いも気になるでしょう。
原状回復費用や経年劣化の考え方についてご紹介しますので、参考にしてみませんか。

タバコによるヤニ汚れは原状回復義務がある?

そもそも原状回復をするものはどういったものが対象になるのかですが、使っていて自然に劣化したり汚れたりしたものに関しては原状回復の義務はありません。故意や過失で傷をつけたり汚したりしたものに関して原状回復の義務が発生します。

そんな中で、タバコによるヤニ汚れは故意・過失によるものと見なされますので知っておくことが大切です。

賃貸で注意したい!タバコによるヤニ汚れとは?

賃貸の室内でタバコを吸うと、壁のクロスなどにヤニが付いて黄ばみますので注意が必要です。自分では気づかない場合も多いのですが、汚れや臭いが部屋に染みついてしまうでしょう。

タバコから発生するタールと言う物質のために、壁紙のクロスやカーテン、家具などが黄ばみ、ひどくなると茶色になっていきます。部屋全体の色が何だかくすんでしまったということがあるでしょう。

また、ヤニ汚れは一度付くとサッと水拭きしただけでは取れないため厄介です。粘着性のある油性の汚れとなるのが特徴ですので、クロスに付いた場合ベタベタした感じになります。

そこへほこりやカビも付着していきますので、より汚くなってしまいます。
掃除をしてもじぶんではなかなか取れない汚れとなりますので注意が必要です。

特に賃貸物件を退去する際には元通りにする必要がありますが、きれいに掃除できなくて残ってしまうことが多いでしょう。

ヤニ汚れの原状回復はトラブルになりやすい?

こうしたヤニ汚れは、簡単に掃除をしただけでは取れませんので、原状回復のためにハウスクリーニングやクロスの張替えが必要になってくることが多いでしょう。

その際に、原状回復のための費用として、割と高額のハウスクリーニング代やクロスの張替え代が請求されてしまいます。
そのためトラブルも多くなるでしょう。

クロスも一部分だけの張替えですといいのですが、一部分を張替えると他の部分と同じようにならないことがあり、広く張替えが必要な場合もあります。

張替えの場合、通常1㎡当たり量産品で約800円程度~約1,100円程度、一般品で約950円程度~約1,500円程度となっていますが、面積次第では高額が請求されます。

また、換気扇や照明、天井などにもヤニ汚れがよく付きます。
換気扇や照明、天井のヤニ汚れのクリーニング代を請求された場合も高額になるため注意してください。

できるだけ自分でも油汚れに強い洗剤など、重曹やセスキ炭酸ソーダなどを準備して日頃から掃除をしておくのもおすすめの方法と言えるでしょう。

ヤニ汚れの原状回復にも経年劣化は考慮される

また、原状回復をする際には、全額支払わなくてもいいことも知っておくといいでしょう。
経年劣化で年数が経ったことで劣化した分は差し引かれることも知っておいてください。

タバコによるヤニ汚れの場合にもこの経年劣化が考慮されます。
例えば、壁のクロスの耐用年数は6年となっていますので、6年住んでいるとクロスの価値は1円に減少します。
原状回復費用は住んでいる年数によって下がっていく計算になります。

3年住んでいると、張替え費用の半分程度の費用負担となるでしょう。
また、6年以上住んでいると1円になると言いましたが、クロスを張替えた工事費や人件費については、借主が負担する可能性があることも知っておいてください。

張替えた場合には、年数が経っていたとしても、多少なりとも費用負担が発生することになります。

入居時点でクロスが新品でない場合には前入居者の入居年数で耐用年数を計算

また、自分が入居した際にクロスが新品でない可能性もあります。
その場合は、前の入居者が住んでいた年数も耐用年数に入れて計算します。

前の入居者が3年住んでいて、自分が3年住んでいれば、その間張替えていないクロスの価値は1円と計算できるでしょう。

ヤニ汚れのハウスクリーニング費用はどのくらい?

ヤニ汚れや臭いの場合には、原状回復のためにハウスクリーニングをお願いする場合も多くなります。

クロスのハウスクリーニング費用は10㎡で約5,000円程度~約10,000円程度、20㎡で約10,000円程度~約20,000円程度と割と高額です。また、ヤニ汚れがひどい場合にはさらに費用が上乗せされることもありますので気を付けてください。

ヤニ汚れの原状回復費用は高額になることもあって注意が必要!

賃貸でタバコを吸った場合のヤニ汚れの原状回復についてご紹介しました。
退去時には、原状回復のためのクロスや天井の張替え、換気扇などの掃除費用を負担する必要があるため注意が必要です。

自分では気づかなくてもヤニ汚れは結構付いているものです。なんだか部屋がくすんでいるということも多く、日頃から気を付ける必要があるでしょう。

また、ヤニ汚れは広範囲のことが多いため、退去する際には、割と高額の原状回復費用を請求されることが多い傾向です。
そのためトラブルも多くなっています。

そして、高額を請求された場合には、経年劣化も考慮されますので、知っておくといいでしょう。
原状回復費用は全額ではなく、経年劣化、耐用年数を考えて計算されます。長く住んでいると費用負担が減るでしょう。

また、退去する際に大変なことにならないように、賃貸では部屋で日頃からタバコをあまり吸わないようにすることも必要です。
タバコを吸った場合でも自分で掃除できる所はこまめに掃除をして、退去時に慌てないようにきれいに住むのがおすすめです。