賃貸で床の原状回復費用はどのくらい必要?フローリングの傷の負担費用は?

賃貸で床をつい傷つけてしまうということがあるでしょう。
退去時に原状回復をする際にどのくらい費用がかかるのかについてご紹介します。

フローリングの傷の費用負担についてご紹介します。

 

床の原状回復費用とは?

賃貸を退去する際には、借主は原状回復をして退去する義務があります。
しかし、そうはいっても、全てを原状回復する必要はありません。

原状回復義務の対象となる場合とならない場合がありますので、詳しく知っておくことが大切です。

 

床の原状回復の対象とは

床の原状回復の対象になるものは、例えば引っ越しの時に付いてしまった傷、何かを落としたり引きずったりしてしまった床の傷、動物を飼っていたことによる床の傷、借主の不注意で雨が降り込んだことによる床の色褪せなどです。

借主などの注意が足りないことで生じた床の傷や傷み、過失によるものが原状回復の対象となります。
元通りに原状回復する義務が生じるものです。

 

床の原状回復の対象にならないものとは

また、床の原状回復の対象にならないものもあり、家具を置いていたことによる自然な床のへこみや跡、日光が差し込むことによる床の日焼け、色落ちなどの経年劣化です。

普通の日常生活をしていて、付いてしまったへこみや跡形、色落ちなどは仕方がないものとして原状回復の対象にはならないと考えられます。

床の原状回復の対象となるか、ならないかを事前にしっかりと知っておくことが大切です。

 

フローリングの床の傷の原状回復費用はどのくらい?

ここで多いフローリングの床の傷の原状回復費用について、見ていきます。

フローリングを傷つけた場合には、通常その傷つけた場所の部分補修の費用を負担することになります。
また、原状回復費用を考える際には、借りてどのくらい経ったのかという経過年数も考えた上で、原状回復費用が決まることがあります。

 

部分補修の場合の床の原状回復費用は

ただ、床の部分補修をする場合ですが、経過年数は関係ないことも知っておいてください。
部分補修の場合には、かかった費用を全額借主が負担する必要があります。

部分補修と全面補修では、借主負担の計算方法が異なります。

 

全面補修の場合の床の原状回復費用は

床全面を張替えるようなことになった場合ですが、その場合は高額になるために、経過年数を計算して、原状回復のための費用を負担します。

床全面を張替えることによって、全く新しいフローリングの価値を生み出すことになりますので、建物の耐用年数と経過年数を考慮して費用負担が計算されます。
そしてまた、建物の耐用年数は構造によって異なりますので注意してください。

例えば、木造住宅の場合の耐用年数は22年、軽量鉄骨住宅で27年、重量鉄骨の住宅で34年、鉄骨鉄筋コンクリート・鉄筋コンクリートの住宅で47年と建物の構造で耐用年数が異なります。
それに従った原状回復の費用負担が計算されます。

 

全面補修の場合の耐用年数と入居年数による計算方法をご紹介

具体的に、床の原状回復の費用を耐用年数から計算した例も次にご紹介しますので、参考にしてください。

例えば、耐用年数27年の軽量鉄骨造の場合で、入居年数3年で退去して、床を全面張替えて15万円の原状回復費用が掛かった場合を例にします。

この場合に、耐用年数27年-入居年数3年=24年となり、あと24年は耐用年数があった計算になります。そこで、27年の耐用年数の24年分の負担を払うことになり、
原状回復費用15万円×(24年/27年)=133,333円が原状回復のための費用として計算されます。

つまり、入居年数が長いほど耐用年数から考えられる割合は低くなって、原状回復の費用負担は少なくなっていく計算です。

実際に計算してみましたが、このように床を部分補修するのか、全面補修するのかで、原状回復費用の計算方法が異なってきます。

このことを詳しく知っておくと、あまりトラブルにならずに済むでしょう。

 

フローリングの床の原状回復費用の相場は?

ここで、フローリングの床の原状回復費用について相場をご紹介しておきます。
床の部分補修の場合ですが、フローリングの床の傷・へこみを補修する場合には、1㎡以下と少なければ約8千円程度~約3万円程度でも可能です。

また、元々の床材を撤去してから新しいフローリングに張り替える場合は1畳当たり約3万円程度~約6万円程度、今の床にそのまま重ね張りして補修する場合は約2万円程度~約5万円程度となります。

補修範囲が広い場合は部分補修でも6万円程度かかる場合があり、全面補修となると約15万円などにもなります。

 

床の原状回復費用で注意しなければならない点は

床の原状回復費用で注意しなければならない点もご紹介します。
たとえ少しの傷だとしても、補修のためには業者が出張して直すことが必要なため出張費が掛かるなど、ある程度の費用は必要です。
ほんの少しの傷だからと思っていても、一定の費用負担を考えておくことが大切です。

また、床の傷や傷みなどが一部であっても、元の床材が揃わない場合も多くなります。
その場合には全面張替えとなる可能性も高くなることも知っておいてください。

リビングなどの広い面積の床の傷では、補修面積が広くなってしまう恐れがあります。

 

床の原状回復費用は様々なケースがあるため注意が必要!

退去時の床の原状回復費用について見てきました。

床の原状回復のための費用は、どのような原因でできた床の傷なのかによっても異なります。Z
それによって、費用負担がない場合、ある場合がありますので、きちんと理解しておくことが必要です。

また、部分補修や全面補修の可能性、そして、全面補修となった場合の費用負担についても知っておくといいでしょう。

もし全面補修になった場合に、入居年数が少ないと高額の負担割合の場合もありますので、念頭に置いておきましょう。
床の傷は結構付きやすいことが多く、賃貸の場合には退去時のことも考えて使用し、原状回復のことを考えておくことが大切です。