賃貸住宅を退去する場合に、原状回復をして出る必要がありますが、フローリングの床に傷を付けた場合はどうなるのでしょうか。部分的に補修する場合や全体張り替えの場合の費用についてご紹介します。
賃貸住宅を退去する際には、原状回復をして退去する必要があります。フローリングの床に傷を付けてしまったということもあるでしょう。
その際の費用がどのくらいになるのかが気になりませんか。部分的に補修の場合や全体張り替えの場合の費用をご紹介しますので参考にしてください。
フローリングの床の原状回復費用について
フローリングの床は、傷つきやすく退去時に原状回復が求められることも多くなります。
家具を引きずったり、何かを落として傷を付けたりした場合に原状回復費用がどのようになるのかが気になるでしょう。
一般的に原状回復の費用は、通常の使用で傷ついたものや経年劣化によるものについては原状回復の義務がないとされています。
例えば普通に生活していて「フローリングが日光で日焼けをしてしまった」などという場合は原状回復の費用は発生しません。
また、家具を置いていて少し型が付いてしまった場合も費用負担はないでしょう。
ただし、引っ越しの際に家具で傷つけてしまった、何かを落として傷を付けた、穴が開いたなどという場合は原状回復をすることが必要です。
また、窓を閉めるのを忘れて雨が降り込んでフローリングが傷んだ場合も原状回復が必要となります。
フローリングの原状回復費用はどのくらい?
フローリングの原状回復費用ですが、補修する場所が小さな場合と広い場合では補修費用が異なりますので、注意が必要です。
補修する場所が広い場合には、費用も高くなってしまいます。
しかし、その場合、経年劣化による減価償却も考慮されますので知っておくといいでしょう。
部分補修の場合と全体張り替えの場合について分けて、具体的にご紹介しますので参考にしてください。
フローリングの部分補修の場合
原状回復で部分補修が必要な場合は、全額を借主が負担することになります。
部分補修なのでそれほど大きな費用にはなりませんが、注意が必要です。
原状回復の専門業者に依頼した場合、補修に必要な作業時間によって費用が計算されることが多くなります。
全長2cm以内の線になっている傷や凹みや欠けがある場合は、1カ所当たり4,000円~6,000円程度必要です。
全長20cm以下で25c㎡以内の線上のキズや凹み、欠けは13,000円〜17,000円が相場となっています。
それ以上になると3万円以上かかる場合もあって注意が必要です。
補修に時間がかかるかどうかで費用がかかることを知っておいてください。
フローリング全体張り替えの場合
そして、フローリング全体の張り替えが必要な場合は、全体を張替えることでフローリングの価値が高まりますので、全額を借主が負担しなくても大丈夫です。
経年劣化による減価償却を計算したうえで負担額が決まります。
全面張り替えでは6帖で10万円~15万円程度と高額になりますが、経年劣化も考慮したうえでの計算となります。
全面張替えで14万円必要だった場合ですが、木造住宅の場合には家全体の耐用年数から計算をします。
木造の場合は耐用年数が22年ですので、4年入居していたとして借主の負担額の計算は次のようになります。
14万円×((22年-4年)/22年)=11.48万円
10年入居していたとして
14万円×((22年-10年)/22年)=7.7万円
長く住むことで費用負担の額は減っていきます。
また、軽量鉄骨造りでは27年、鉄骨鉄筋コンクリート、鉄筋コンクリート造(住宅用)では47年が耐用年数となっていますので知っておくのがおすすめです。
賃貸ではフローリングを傷つけないようにする工夫も必要
どちらにしてもフローリングを傷つけると高額な費用が発生する可能性があるでしょう。
賃貸ではできるだけ傷をつけないように工夫することも大切です。
例えば、ジュータンやラグ、マットなどを敷くなど工夫するのもいい方法です。
キャスター付きの家具が多い場合には要注意
キャスター付きの家具がある場合は、下にマットを敷いたりすることで大きな傷がつくことが減るでしょう。
キャスター付きの椅子に座って重心を掛けた場合、フローリングの一部分に傷を付けることがありますので予防することが大切です。
小さな子どもがいる場合には工夫を
小さな子どもがいる場合には、おもちゃなどを落としたり引きずったりする可能性が高くなります。
軽いものならばいいのですが、何を落とすかわからないためラグやマットなどを敷くのがおすすめです。
ペットがいる場合にも注意!
ペットがいる場合にもジュータンやラグ、マットを敷くのがおすすめです。
どうしてもペットを飼っていると走り回ったりしてフローリングに傷がついてしまいます。
滑らない少しクッション性のあるものを敷いてペットにも優しい床にするといいでしょう。
フローリングの傷は放置しないことも大事
また、フローリングの傷は小さな傷のうちに補修をするのもいい方法です。
放置しておくと生活しているうちにさらに傷がひどくなる場合もあります。
例えば、椅子やテーブルなどでできた傷がさらに使い続けることによって深い傷になる可能性があります。
傷があることに気づいたら、小さな傷のうちに補修するのがおすすめです。小さな傷ならば自分で補修できる場合もあり、専門業者に頼んでも安く済み、高額の補修費用にならなくても済んでおすすめです。
フローリングの原状回復費用は張り替えでは高額の場合が多く予防も大事
フローリングの原状回復費用についてご紹介しました。
賃貸住宅を退去する際には、フローリングの傷についてもチェックを忘れないようにしてください。
補修に時間がかかるようなひどい傷や凹みなどの場合には、部分補修でも高額になり、注意が必要です。
また、全体の張り替えの場合にはさらに高額な費用がかかります。
減価償却が計算されますが、長く住んでいないと費用が高くなりますので気を付けてください。
フローリングは傷つきやすい床材のため、できるだけ傷を付けないように生活することが大切です。ジュータンやラグ、マットなどを敷いて予防することも必要と言えるでしょう。