賃貸でペットを飼育した場合の原状回復費用は高額になりやすい?

賃貸でペットを飼っている人も増えてきています。
退去時には原状回復をする必要がありますが、退去する時の原状回復費用を高く請求されがちです。

実際にどのような場合に高額になるのかについてご紹介します。
退去時の費用のことも予め知っておくことで原状回復費用を抑えてみませんか。

ペット飼育可の賃貸でも原状回復は必要?

まず、ペット飼育可となっている物件でも、原状回復の費用を請求されることを知っておくことが必要です。

「原状回復」とは入居した状態と同じ状態に戻すことを言います。通常の生活をしていて、自然にできたキズや劣化は「原状回復」の対象にならないのが特徴で、経年劣化によるものは原状回復の対象外です。

注意不足や故意、またペットの場合もペットが付けたキズや臭いや汚れなどは借主が費用を負担する必要があります。

ただ、ペット可の賃貸では、もともとの賃料が少し割高になっているため、ペットによる少しのキズや汚れならば賃料に含まれている場合もあるでしょう。

少しのキズなどの場合は、あまり原状回復費用を請求されない場合もあります。
ペットを飼育する際には、最初に賃貸契約書を確認しておくことも必要です。

ペット禁止の賃貸物件の場合はどうなる?

また、ペット禁止の賃貸物件でペットを飼っていた場合ですが、この場合は賃貸契約違反となります。
そして、原状回復のための費用を請求されたら、そのまま支払う必要があり、高額になる場合があります。

ただし、この場合も経年劣化による消耗などについては、補修費用を全額は請求されないケースが多くなっています。

ペット可の賃貸物件の原状回復費用が高い?どのような場合に高くなる?

ペット可の賃貸物件でも、原状回復のための費用が高いという声が聞かれますが、どのような原状回復の内容が請求されるのかについて、具体的に見ていきますので参考にしてください。

ペットの爪による壁紙クロス・フローリングの修繕

犬や猫が走ったり、爪とぎをしたり壁をよじ登ったりした場合、壁紙クロスやフローリングや畳などの床材に傷をつけやすくなります。

その場合に、修繕箇所の一部分だけを張り替えにくいため、広く張り替えることになりがちです。
そのため高額になる可能性があります。

クロスは部屋の広さによって約4万円程度~約7万円程度必要で、フローリングは全面の場合、6畳程度から10畳程度で約10万円程度~約18万円程度必要と高額になります。

柱のキズの修繕

柱の場合は、爪とぎや噛み跡などがある場合は、その部分だけを修繕します。
ただ、複数の修繕が必要な場合が多く、そのため費用が高額になることが多いでしょう。

約2万円程度~約4万円程度の原状回復費用がかかります。

脱臭・ハウスクリーニング

ペットを飼っていると部屋に臭いが付いてしまいます。
ハウスクリーニングをしないときれいにならないため、費用負担が必要です。

ワンルーム・1Kで約2万円程度~約5万円程度、3DK・3LDKで約6万円程度~約10万円程度と広い部屋になると高額です。
また、尿のシミなどは約5万円程度の原状回復費用が必要となります。

キャットタワーやケージによる跡

また、部屋にキャットタワーやゲージを置いていたことでその跡が付いてしまうことがあります。
天井に突っ張って固定するキャットタワーでは、天井に跡が付く可能性があります。

また、重い重量のゲージを置いて移動させた時の跡が残る場合もあるでしょう。
同じ場所に置いていると跡が残ったり、床がへこんだりします。

ペットの場合は、これらのことが経年劣化と認められず、原状回復が必要になる場合がありますので注意が必要です。

ケーブルやコードなどのかじり跡

さらに、ペットがケーブルやコードなどをかじっている場合もあるでしょう。
最初から設置してあるケーブルやコードについてはきれいな状態にして、戻す費用が発生します。

ペット可の賃貸で高額の原状回復費用にならないための方法とは

ここで、ペット可の賃貸物件で、高額の原状回復費用にならないための方法についてもご紹介しておきます。
次のような対策を事前に取っておくといいでしょう。

ペットの爪によるキズが付かないようにするには、定期的に爪切りをし、爪とぎグッズを設置するのがおすすめです。

また、床のキズ防止のためにはペットが滑らないように滑り止め付きの厚手のマットを敷くといいでしょう。

ペットの臭いに関しては、犬猫、うさぎ、ハムスター、フェレットなどの場合はトイレのしつけをきちんと行い、掃除をこまめにすることです。

排泄のためのシートを敷いておくのもいい方法です。

また、鳥を飼った場合は、フンがたまらないように気を付けて掃除をする必要があります。

このような排泄の臭いなどが残った場合は、きちんとしつけていなかったということで、高額の原状回復費用のこともあり注意してください。

さらに、ペットにコードやケーブルがかじられてしまう問題に関しては、カバーを付けて安全に対処しておくといいでしょう。

ペット可の賃貸の原状回復費用は高額の可能性が高く対策が必要!

ペットの賃貸の原状回復費用が高くなることについてご紹介しました。

ペットによるキズや臭いなどについては、きちんとしつけて飼っていたら防げたこと、また事前にマットを敷くなど対策を取ることで防げたことと見なされることも多くなります。

原状回復費用がそのまま請求されることが多いでしょう。

最初の家賃に、ペットによる補修の費用が上乗せしてある場合はいいのですが、そうでない場合は高額になりがちです。

もちろん経年劣化によるものは考慮されますが、高額になることを想定しておくことも必要です。

もし高額になることが心配な場合は、自分でも原状回復の専門業者に費用の見積もりを取っておくのもいい方法と言えるでしょう。

そして、ペットを飼う際は、原状回復のことを考えて、できるだけ高額にならないように、気を付けて飼うように努めることが大切と言えます。